決算書というのは会社の通信簿になり、そこから収益、会社の長所や短所、また問題点などを読み取れます。
会社の数字はそのままでは何も分かりません。そのため最初に時系列での垂直視点、さらに他社との比較が大切になります。
決算書を見る3つの目、「鳥の目」「魚の目」「虫の目」
決算書のなかには、会社のさまざまな数字が記載されています。
勘定科目のなかには売掛金や未収入金、また立替金や前払費用などの科目があります。
経営者がこれら自社の決算を理解するために、細かい数字ばかり追っていれば本来の正しい姿を見失うこともあります。
そこで3つの見方である、「鳥の目」「魚の目」「虫の目」が大切になってきます。
「鳥の目」「魚の目」「虫の目」とは
決算書全体を把握する「鳥の目」
鳥のように全体を俯瞰して見る目を鳥の目といいます。
細かい数字だけ見ても理解するのは困難です。
売上が多くなるとうれしなくなりますが、営業利益が減っていれば何かしらの経費が多くなっていることになります。
それを鳥の目で見ることで、売上や利益の増減、また自社経営状態を把握できます。
売上と利益を「鳥の目」で見る方法は、自社の経営状態を把握するのに最適な方法です。
市場の流れを把握する「魚の目」
魚が川の流れを見るように起業業績や社会情勢、市場の流れを意識して見ることを魚の目といいます。
市場のトレンドを把握するために重視するデータは、経済産業省が出している景気指標、また為替や日経平均株価、さらに経済成長率になります。
そしてこのとき大切なことは、そのときの数字のみでなく流れを把握することです。
毎日のデータも大切ですが、以前とデータを比較してください。
経済全体の動向から自社に対しての影響を予測できれば、魚の目を持つことができたといえます。
会社の数字を把握する「虫の目」
虫のように小さい視点で細かく見る目を虫の目といいます。
売掛金が滞れば資金繰りが厳しくなります。また不良在庫が多くなればその処分も必要になります。
このように滞った売掛金や不良在庫の確認などを、虫の目のように細かく見ていく必要があります。
また固定資産は、そのままでは維持費もかかります。
そのため自社の固定資産について、その使われ方を虫の目でいつも検証する必要があります。
前回の記事決算書の見方、2つの視点と「鳥の目」「魚の目」「虫の目」を意識して会社の数字を見ていくことで、経営状態のみならず業界の流れや他社との差別化の手段が見えてくるはずです。