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決算書のチェック方法まとめ!審査側の目線で見てみよう。

細かいポイントのチェックで見た目の良い決算書に

決算時期が近づいてくると、決算書の作成に悪戦苦闘している事業者も多いはず。最終チェックが終わった時の解放感は一度作成したことがないとわからない快感がこみあげてきます。しかし、そのチェックの仕方に問題はありませんか?せっかく苦労して決算書を作ったのに、チェック漏れが原因で税務調査員に目をつけられてしまっては本末転倒です。

今回は決算書のチェックの方法を伝授いたします。しかも「審査側の目線」からみた方法の伝授なので、間違いなく現場で役立つはずです。この記事を読んで、合格点が取れる決算書を作成できるようにしてください。

まず損益計算書のチェック→修正

決算書の審査側の代表と言えば「税務調査員」。調査員は決算書と各種帳簿などに相違点がないかを確認してきます。つまり、数字の過不足がないかを確認することが正しい決算書を作るための第一歩。そのためには、損益計算書のチェック・修正が重要です。損益計算書の修正のポイントをまとめてみました。

減価償却不足の修正

実は減価償却を計上しなくても税務的な問題は起こりません。しかし利益が正しく計上されなくなるため、財務上では必ず計上する必要があります。

減価償却不足がある場合税引後利益ー償却不足額で利益修正しましょう。

役員報酬の修正

利益を大きく計上するには、役員報酬を下げるという調整を行うことがあります。つまり役員報酬は利益の調整手段としてチェックされやすいということです。役員報酬が実際に必要な生活費よりも過少に計上されている場合

実際に必要な生活費―帳簿上の役員報酬額(約350万など)

を税引後利益から差し引く必要があるのです。

また、逆に必要な生活費以上の役員報酬がある場合

帳簿上の役員報酬額―生活に必要な生活費(約800万など)

を税引き後に加算する必要があります。

返済能力の診断を行う→融資を受ける際に重要視される

決算書をチェックするのは税務調査員だけではありません。決算書は金融機関の融資担当もチェックするものです。融資担当は融資した後に問題なく回収ができるかを重要視しています。そのなかでも返済能力は最重要確認事項と言っても過言ではありません。では返済能力のチェックの仕方を学んでみましょう。

新たな融資を受けるために重要になる返済能力のチェック方法とは?!

会社の返済能力は

修正後の税引き後利益+減価償却費

で計算しましょう。

この計算の結果がプラスになっていれば、まずは一安心。次のチェック項目に進むことができます。マイナスになってしまったら、金融機関からのプロパー融資は受けることは難しくなるはずです。

返済能力はOKでも借入過多になっていませんか?

返済能力が問題なかったとしても、それだけで全てOKというわけではありません。現在の借入額が返済能力に見合っているかも、融資担当は当然チェックしてきます。

〔金融機関からの借入総額―現預金額〕÷〔税引き後利益+減価償却費〕

の結果が10未満になっていれば、融資を新たに受けることができる可能性が高くなるのです。

当然10以上になった場合は、新たな借入は困難になるでしょう。

もちろん簡易診断であり、実際の借入判断ではありません。融資担当者への個別相談した場合、簡易診断で10以上の値が出ても借入可能であった場合もあります。

賃借対照表のチェック→修正|自己資本の判断に重要

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もう一つ重要なものに「賃借対照表」があります。賃借対照表とは、ざっくり言うと現時点での会社の資産・負債・資本を示す計算表です。他にもバランスシートなどと呼ばれます。これも税務調査官・融資担当ともにチェックしてきます。決算書と見比べ、相違がないようにしなくてはいけません。

賃借対照表に於いて重要なチェック項目とは

不良資産の修正する

資産として計上されているもののなかには、実際には価値がないもの紛れていたりします。紛れている場合は、その分を減算する必要があるのです。

価値がない資産としては、「回収不能な売掛・貸付金」「不良在庫」「使途不明な仮払金」などが例に挙げられます。なお、販売先が破産を申し立てた場合には、税務上は破産手続きが完了するまでは資産として計上しておく必要がありますが、財務上は回収の見込みがない資産として減算しなくてはいけません。

返済不要な負債を修正する

社長個人からの借入金などは、緊急に返済が必要な借入ではありません。つまり「返済不要な借入」ということ。これについては、負債から減らして構いません。

会社の安全性をチェックするには?!

自社の資産・負債が解れば、「自己資本」も計算することができます。つまり、倒産しやすい会社かどうかを判断することができるということです。

まず賃借対照表の結果をもとに

修正後の資産―修正後の負債

の計算式を用いて「自己資本」を算出します。

返済能力がOKで借入過多になっておらず、自己資本の値がプラスになっているのであれば、新たな融資を受けられる可能性は非常に高いと言えるでしょう。

逆に、返済能力・借入過多かどうか・自己資本の3つのなかで、一つでもクリアできていなければ、新たな借入は難しいということになります。損益計算書と賃借対照表をチェックし、再修正をいっていきましょう。

まとめ|細かいチェック→修正を行い、より良い決算書を作成しよう

いかがでしたか。決算書のチェック方法が細かく解ったと思います。より良い決算書を作ることは、税務調査を逃れるという利点だけではなく、新たな融資を受けやすくなるという利点もあるのです。また、自分の会社が健全に運営されているかの指標にもなってきます。チェック項目も多く大変な作業になりますが、手を抜かずチェック・修正を繰り返し、より良い決算書を作りましょう。

今回のポイント
  • より良い決算書を作成するためには「損益計算書」のチェック・修正が必要
  • 減価償却不足がある場合、「税引後利益ー償却不足額」の計算式で利益修正する
  • 役員報酬の修正は利益修正にとって有効な手段。しっかりチェック修正を行おう
  • 返済能力は「修正後の税引き後利益+減価償却費」で計算。プラスになっていればOK
  • 〔金融機関からの借入総額―現預金額〕÷〔税引き後利益+減価償却費〕 が10以上になっている場合は借入過多。新たな融資は難しい
  • 賃借対照表をチェックし、自己資本を導き出すことで会社の安全性を判断できる
  • 自己資本は、「修正後の資産―修正後の負債」で計算でき、この値がプラスになっていることが重要
  • 何度もチェック・修正を行い、より良い決算書を作ることが重要

関連リンク:初めての決算でも迷わない! 決算書作成、最終チェック2つのポイント

(編集:創業手帳編集部)

本記事の内容は、記事執筆日時点 の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家や法務局等にご確認ください。
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