相続税を払うのは誰?相続税申告の期限や相続税を払わない場合も解説
被相続人の遺産にかかる相続税は誰が払うのでしょうか?
相続人の代表者が全員分をまとめて代わりに払うのか、それとも一人ずつ申告するのでしょうか。
このような相続税の支払いに関する疑問について、わかりやすく丁寧に説明します。
相続税は誰が払う?
相続税は誰が払うのでしょうか?
簡単に言うと、遺産を相続した人全員が、それぞれの相続分に応じた税額を、個別に払うことになります。なお税額控除によって税額が0円になった人は払いません。
また、そもそもの話をすると、遺産の課税価格が基礎控除額以下の場合は、誰も相続税を払う必要はありません。
そして、基礎控除額を超える場合でも、相続放棄等によって遺産を取得しなかった人には相続税がかかりません。
相続税は遺産から払う?
相続税は遺産からではなく、相続人それぞれの財産から払います。
なお、相続税の納付期限までに相続手続きが済んでいれば、相続した財産から相続税を払うこともできます。
相続税は代表者がまとめて代わりに払う?
原則として、各相続人がそれぞれ払う
前述のとおり、各相続人がそれぞれ相続税を払うことが原則です。
代わりに払ったり、まとめて払ってもよい
相続人の一人が、他の相続人の相続税を代わりに払うこともできますし、全員分をまとめて払うこともできます。
ただし肩代わりしてもらった分は、みなし贈与財産として贈与税の課税対象となるので、注意が必要です。1月1日〜12月31日の1年間に贈与を受けた財産の価額が110万円を超える場合は贈与税がかかります(暦年課税の場合)。
なお、一時的に立て替えてもらっただけであって改めて精算する場合は贈与税はかかりません。
連帯納付義務
相続税の納付については、原則として、各相続人が相続等により受けた利益の価額を限度として、お互いに連帯して納付しなければならない義務があります。
つまり、相続税を払わない相続人がいる場合は、他の相続人が代わりに払うことになります。
代わりに払った分は、本来の納付義務者に求償することができます。
相続税はどうやって払う?
相続税はどうやって払うのでしょうか?次の3つのいずれかの方法で払います。
- 電子納税
- クレジットカード納付
- 金融機関または税務署の窓口での納付
相続税があるのに申告・納付を怠ると税務調査が入ったり、申告漏れがあると期限後申告を促される場合があります。
相続税の申告方法
相続税はただ払えばよいというものではなく、相続財産の内容や相続税の計算過程を記した申告書を提出して「相続税申告」をしなければなりません。
相続税申告については、複雑な計算式や税額を減らすための控除・特例などもあるので相続税に精通した税理士に依頼することをおすすめします。
相続税の特例は複数ありますが、小規模宅地の特例、配偶者の税額控除、障害者控除などがあげられます。いずれも適用には条件があるので、よく制度を理解したうえで検討してください。
相続税の申告期限
相続税の支払い期限は「相続人が、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」です。被相続人の最後の住所地を所轄する税務署に、相続税の申告書に必要書類を添付します。
なお、税務署は土曜日、日曜日及び祝日は開庁していないため、支払期限の最後の日が土曜日、日曜日または祝日の場合は、その翌開庁日である次の平日が支払期限となります。
まとめ
以上、「相続税を誰が払うのか?」について説明しました。
相続税は、各相続人が相続分に応じた額を払いますが、代わりに払ったり、まとめて払っても構いません。
また、遺産からではなく、各自の財産から払います(相続によって取得した財産から払っても問題ありません)。
相続税申告については、相続税に精通した税理士に依頼することをおすすめします。相続税の計算を間違えると修正申告が必要になったり、過少申告加算税などのペナルティが課される可能性もあるからです。
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