2月23日は税理士記念日|記念日の由来と相続相談するときの注意点
この記事はこんな方におすすめ:
税理士に相続相談したい方
- 税理士の主な3つの業務は税務代理、税務書類の作成、税務相談
- 税理士の業務を税理士以外の人がおこなうのは、法律によって原則禁止
- すべての税理士が相続問題に詳しいわけではない
2月23日は税理士記念日です。1942年(昭和17年)2月23日に税務代理士制度ができたことに由来しています。今回は、税理士記念日にちなんで、税理士の役割と業務内容、税理士に相続相談をする際の注意点についてまとめました。
悪質な税理士を排除する?税理士記念日の由来
税理士とは、「独立した公正な立場に立つ税務に関する専門家」です(国税庁HPより)。その歴史は明治時代にさかのぼります。
明治時代、日清戦争後の財源確保・日露戦争の戦費調達のため、日本ではそれまで土地に対して課されていた税金だけでなく、商工業者からも税負担を求めるように税制が変化していきました。
その結果、専門知識を持つ人に税務相談や手続きを依頼する人が増加しましたが、同時に悪質な税務代理業者による業務が問題となりました。
その後、1941年(昭和16年)に始まった太平洋戦争の戦費調達のためになされた大増税により、さらにトラブルが増加する中、こうした問題に対応するため、1942年(昭和17年)2月23日に税務代理士法が制定され、税務代理士制度ができました。以後、一定の資格を有する人に大蔵大臣(後に国税庁)から税務代理士の許可が与えられるようになりました。
1951年(昭和26年)には税理士法が制定され、税理士の資格(独占業務資格)を得るための試験制度を導入し、現在に至っています。
税理士記念日は1969年(昭和44年)に日本税理士会連合会によって制定されました。
税理士の仕事
税理士の仕事には、次の3つの業務があります(税理士法第2条)。これらの業務は税理士、または税理士法人以外の人がおこなうことは、法律によって原則禁止されています。(税理士法第52条)
- 税務代理
- 税務書類の作成
- 税務相談
1.税務代理
税金は、納税者が税務署へ所得などを申告することで、その額が確定します。税理士は納税者に代わって税務署への申告をおこないます。また税務調査への立ち会い、税務署の決定に対する不服申し立てなども納税者の代理として代行できます。
2.税務書類の作成
納税者に代わって、税務署に提出する申告書、申請書、請求書、不服申立書などの書類を作成します。この書類にはe-taxなど電子書類も含まれます。
3.税務相談
税理士は、申告書の作成や税金の計算など税金に関するさまざまな相談にのることができます。
相続税について相談するべき税理士とは
実際におこなわれる税理士の仕事は、財務書類の作成、会計帳簿の記帳代行といった企業での仕事もあれば、相続税の相談など個人を対象にした仕事など、多岐にわたっています。これらの業務には共通する点もありますが、一方でそれぞれの分野でより専門的な知識や経験が求められることもあります。
そのため、同じ税理士の資格を持っていても、キャリアによって得意、不得意が異なるのが実情です。
相続に不慣れな税理士に依頼するリスク
相続財産は預金口座だけとは限りません。
不動産や株式などその価値を計算しにくく、相続人同士で分割しにくい財産も含まれます。また相続税にはさまざまな特例などもあり、被相続人の遺産や法定相続人との関係によって、納税額を抑えることも可能です。
例えば、生前の相続税対策でも、生前贈与にかかる贈与税と相続税の合計を見極めて、将来的にどちらが相続人にとって有利かを判断する必要があります。
さらに高齢者夫婦のうちどちらかが亡くなった場合など、近い将来予想される二次相続も想定して遺産分割をおこなわないと、後々多額の相続税を納めなければならなくなる可能性もあります。
このように相続税については、将来のこともある程度予測して、判断できる税理士に依頼する必要があります。専門的な知識や経験が不足している税理士に相談した場合、本来、納めなくてもよい税金を支払うことになったり、さまざまな問題が起こるリスクもあります。
なお、相続税を支払い過ぎていた場合には、場合によっては還付されることもあります。
相続税に強い税理士は意外と少ない?
相続税の基礎控除額が引き下げられてから課税対象となる被相続人の数が増えたとはいえ、その数はあまり多くはありません。
2019年(平成31年)を例にとると、相続税の課税割合(全死亡者数に対する課税対象となる被相続人の割合)は8.3%。つまり家族が亡くなっても、その9割以上は相続税の申告を経験することはありません(国税庁「令和元年分 相続税の申告事績の概要」)。
相続税の申告件数でいうと2019年は約11.5万件でした。
日本の税理士の登録者数が約8万人といわれる中、単純計算で1人の税理士が取り扱う申告件数は年間1.4件です(日本税理士会連合会発表の数値(令和3年1月末日現在))より)。
相続専門の税理士に依頼が集中することも考えると、相続税に関わる相談や依頼を受けている税理士の数は限られていると言えそうです。
まとめ
相続に強い税理士を探すには、それぞれの税理士がホームページやチラシなどで出している情報を調べたり、無料相談などで実際に会って話をしてみるという方法があります。
また、相続に関して漠然と不安はあるものの、誰に何を相談してよいかわからないという場合には、行政書士に一度相談し、必要に応じて税理士を紹介してもらうという方法もあります。
鎌倉新書の運営する「いい相続」でも、相続に強い税理士や行政書士をご紹介しています。相続や相続税の申告について不安な方は、お気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人
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