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飲食店を開業するときの注意点とは。自己資金不足を解消するには?

ここ数年、飲食店を開業する人が増えているようです。飲食店は、開業に際して特別な資格を必要としない業種。そのため気軽にお店を始めることが出来ることが、人気の秘密かもしれません。また故郷の特産品を紹介し地元の産業を活性化させたいという「地元愛」を持った人にとって、非常に適した業種であるとも考えられます。

しかし、飲食店を開業する人達が増えている反面、廃業率が高いという側面があるという事実も無視できないのではないでしょうか。飲食店運営の山場は2年と言われています。つまり、2年後には多くの店が無くなっているということ。

今回は、飲食店を開業したい人達のために、開業・運営のポイントをまとめてみました。事業を成功させるためには、無視できない重要な事を紹介しますので、参考にしてください。

なぜ美味しい飲食店が閉店してしまうのか?!

人が生きていくために、食べていくことは必須。ある意味飲食店は、人間が生きていくために絶対不可欠な業種と言えるでしょう。そして、現代は空前のグルメブーム。しかも求められるグルメは多様化しているため、様々なビジネスチャンスが存在しています。

そのため「素材にこだわり、美味しい料理(酒)を提供すれば、絶対に成功する」と考えている事業者も多いはずです。しかし、これは大きな落とし穴と言わざるを得ません。皆さんも、美味しいお店が潰れていく姿を見たことがあるのではないでしょうか。

美味しいお店が潰れてしまうのは理由がある

なぜ美味しいお店が潰れてしまうのか、その理由には「事業設定のミス」が発端になっているようです。

  • 店の立地
  • マーケティング
  • 広告や販売促進などのプロモーション方法
  • 財務的戦略

の4点が挙げられます。しかし、長年飲食に携わってきた「プロ」が開業する場合、立地やどの層をターゲットにするかと言ったマーケティングを大きく間違ってしまうということは少ないはずです。そもそも全くの未経験でお店を開こうとする人はいないのではないでしょうか。

そうやって考えていくと、財務戦略に問題があるのではないかという結論に行き当たるのです。

財務的な失敗|それは自己資金不足

財務を見てきた人であれば常識的なことも、味にこだわり研鑽を続けてきたい「優秀な飲食の職人」である人にとっては全くの未知の領域。見落としてしまっても不思議はありません。

「開業するときにもっと注意しておけばよかったこと」を聞いてみたところ、「自己資金が足りなかった」という意見が一番多かったようです。さらに注目すべきことは「軌道に乗るまで半年以上かかった」という店が6割いたということも挙げられます。

つまり半年以上の運転資金を準備せずに開業してしまい、自己資金が不足してしまったということが、失敗の原因であると考えられるのではないでしょうか。

自己資金が足りなくなってしまう理由とは?!

自己資金が足りなくなってしまう理由の一番の理由は、「見通しが甘い」ということに尽きます。オープン当初は安定した収入が見込めないことが多く、「キャッシュフロー」に不確定要素が発生することは、財務に関わってきた人達であれば、想像がつくはずです。

しかし、飲食の「作り手」側に従事していた人達は、今まで安定した客入り・収入があった場合がほとんど。その環境と同じようにオープンの計画を立ててしまう人が多いようです。そういう考え方では、自己資金のほとんどを不動産の取得費や設備投資に充ててしまっても仕方ありません。運転資金が1か月ほどしか準備してなかったという人もいたほどです。

飲食店の経営は、景気や社会環境などにも大きな影響を受けます。今まで懇意にしている常連さんがたくさんいて集客に自信があったとしても、4か月から6か月程度の運転資金を準備しておく必要があるということになります。

必要な自己資金を用意する方法とは?!

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オープン当初はキャッシュフローが不安定になるので、運転資金を6か月程度用意しなくてはいけないということは理解できましたか。では、そのための自己資金をどうやって準備すればいいのでしょうか。

もちろん自己資金だけで賄えるのであれば、それに越したことはありません。しかし、それは現実的とは言えないでしょう。基本は「自己資金+融資」です。融資を受けるために、日本政策金融公庫の新創業融資を申請する人がほとんどだと思います。

しかし新創業融資とは別に、「中小企業経営強化資金」という制度があるのをご存知でしょうか。

中小企業経営強化資金とは?!

中小企業経営強化資金とは、認定経営革新等支援機関である専門家が、事業計画書をサポートする融資制度になります。

メリットとしては

  • 新創業融資の利息=年2.3% 中小企業経営強化資金の利息 年1・3%と利息が1%程度変わってくる
  • 融資確定まで早くて2週間、遅くとも1か月と、融資までのスピードが速い

もちろん保証料がかかるというデメリットもありますが、飲食店運営に於いて非常に重要なことはスピード感。飲食店を開くためには、最適の制度と考えられるかもしれません。

保証料と利息を試算し、新創業融資と中小企業経営強化資金のどちらが良いかを判断し、自分の状況にあった融資制度を選択してください。専門家に相談してみてみてもいいと思います。

中小企業経営強化資金を受けることが出来る条件

中小企業経営強化資金を受けるための、最低限の条件を紹介しておきます。もちろんクリアしてなくても融資許可がでる場合もありますが、可能性がかなり下がるので、心当たりがある人は解決しておきましょう。

  • 過去5年以内に破産などの債務整理をしたことが無い
  • 過去に消費者金融などの返済の遅延が無い
  • 水道光熱費、税金の滞納が無い
  • 自分で貯蓄した資金が100万円以上ある
  • 親族などからの支援金と自分の貯蓄を合わせて300万円以上の資金がある

まとめ|自分に合った融資制度を利用し充分な運転資金を準備しよう

どうでしたか。飲食店が失敗する原因が「自己資金不足」であるということが解ったと思います。創業資金を準備することは簡単ではありません。そのため、つい甘い見通しを立ててしまいがちになってしまう人も少なくないでしょう。自分に合った融資制度を使い、充分な運転資金を確保してから開業するようにして下さい。上手く見通しが立てられない場合は、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

この記事のまとめ
  • 美味しい飲食店が潰れてしまう原因はいくつかの「事業計画のミス」が原因
  • その中でも一番多いミスは、「財務戦略のミス」である
  • 集客の見込みを甘く考え、自己資金のほとんどを設備投資や不動産取得費に充ててしまい、充分な運転資金を準備していなかったことが、一番多いミスである
  • 飲食店の運転資金は、集客に自信がある人であっても、6か月程度は必要
  • 運転資金を確保するための融資制度には、新創業融資の他に中小企業経営強化資金がある
  • 中小企業経営強化資金は、保証料がかかるが利息が安く、融資確定までのスピードが速いというメリットがある
  • 自分に合った融資制度を利用し、充分な運転資金を確保することが、飲食店を成功させる秘訣。必要であれば専門家に相談を

(編集:創業手帳編集部)

本記事の内容は、記事執筆日時点 の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家や法務局等にご確認ください。
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