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減価償却で法人税を節税

減価償却は長期間使用するための取得した固定資産の支出を、その資産が使用可能な期間にわたって費用配分する手続きのことです。
創業期のベンチャー企業や中小企業は、減価償却資産を費用化することで経費として上手く法人税を節税することができます。

減価償却資産を費用化する

資産と経費の境界線をよく理解することで、法人税の節税が可能になります。
事業を行うために必要なのが資産ですが、その資産が減価償却が必要な減価償却資産なのか、経費(費用)になるのかによってその後のキャッシュフローや税金対策に大きな影響をあたえてます。
減価償却資産をうまく経費に計上することで法人税の節税ができるようになります。
今回は創業したてのベンチャー企業あるいは中小企業が活用しやすい減価償却資産を費用化できる特例をご紹介します。

まず減価償却を理解する

起業するときに購入したデスクや椅子、またパソコンや棚、車といった資産は購入当初そのすべての額が経費にはなりません。
これらの資産は、通常時間の経過とともにその価値が減少していきます。
この時の時間の経過に伴う価値の減少が減価償却であり、この減価償却の対象となっている資産が減価償却資産になります。
例で説明すると、事業のために新車を購入し数年後売却するときは、使った分だけ価値が減少して購入したときの価額と比べて価格も低くなっています。
このような価値の減少が減価償却になります。
骨とう品や土地などは、時間の経過とともにその価値が減少せず上がることもありますので減価償却されません。

減価償却の計算方法には、定額法定率法生産高比例法があります。
資産の種類によって計算方法が定められていますが、税務署の承認を受けることで任意の計算方法を選択することもできます。

資産を経費化する特例3つ

それでは実際にどのような特例があるかご紹介します。

少額減価償却資産の費用化

「単価が10万円未満」を要件として少額の減価償却資産を費用化することができます、8万円のものを10個購入(合計80万円)した場合であっても全額を経費とすることができます。
また「使用可能期間が1年未満のもの」又は「取得価額が10万円未満のもの」については、全額が業務に使いだした年(≠購入した年)における経費となります。

一括償却資産の費用化

「取得価額が20万円未満のもの」については、全部又は特定の一部を一括して取得価額の1/3ずつを3年間で均等に経費とすることができます。
18万円のものを10個購入(合計180万円)した場合には、3年間60万円ずつ経費とすることができます。

減価償却の中小企業者の特例

この制度は青色申告を行う中小企業者のみに適用できます。
先に紹介した少額減価償却資産の費用化の制度を「取得価額が30万円未満のもの」まで経費として処理できる額を引き上げた制度です。
ただこの制度は「年間300万円に達するまで」という上限が設けられています。
29万円のものを11個購入(319万円)した場合に300万円に達する手前の10個分290万円までが経費となります。残りの1個については資産計上し、減価償却しなければなりません。
なお「年間300万円」なので、年の中途で起業した場合は月割りすることになります。


特例を使って減価償却資産を費用化することによって、キャッシュに余裕のない創業期に法人税を節税することができるのは大きなメリットです。しかし一方で、起業直後の創業期は赤字も出やすいです。そのため場合によっては経費とせず資産計上する方が良い場合もあります。
このような判断ができる税理士を見つけてアドバイスを受ければ顧問料以上の成果を期待できるでしょう。

本記事の内容は、記事執筆日時点 の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家や法務局等にご確認ください。
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