納税制度のなかに連結納税制度という方法があります。
連結納税制度というのは企業グループ内の損益などを集約することで、企業グループを一つの法人としてとらえる課税方法です。
連結納税制度について
皆さまは連結納税という制度をご存じでしょうか。
連結納税というのは、グループ会社の所得を一括で法人税申告を行う制度になります。
連結納税制度自体は企業の規模に関係なく、適用条件を満たすことによって利用可能になります。
今回は連結納税制度について説明していきます。
連結納税はどのような制度でしょうか
電子定款制度、また最低資本金制度が廃止されたことで、簡単に会社設立ができるようになりました。
そのため新規事業を新設会社で行うところも多くなり、比較的小規模な会社においてもグループ形成が可能になっています。
連結納税制度というのは、そういうグループ企業の所得をまとめた法人税を申告する制度になります。
例えばグループ企業のなかに黒字の会社と赤字の会社が併存している場合、グループ全体での利益はないのに、黒字の会社では税金納付の義務が生じます。
そういうときこの連結納税制度であれば、黒字の会社と赤字の会社の損益をまとめることで、グループの納税額を軽減できる可能性があります。
連結納税を利用できる会社
連結納税の対象について
連結納税制度を利用可能な会社は、直接、間接を問わず親法人に発行済株式などの100%を保有されている内国法人です。
このように100%の親子会社の関係であれば、その規模に関係なく連結制度を利用できます。
100%子会社の場合、連結納税の対象に含める必要がでてきます。一部の会社のみを除外できません。
また外国法人は、連結納税の対象外になります。
利用までの手続きについて
連結納税を利用するためには、事業年度開始日の3カ月前までに、親法人ならびに100%子法人の連名により、国税庁長官宛てに承認申請書を提出することになります。
そのため、連結納税制度を利用する場合早目に準備しておいてください。
連結納税を行うメリットは黒字と赤字を合算でき、さらに繰越欠損金をグループ企業全体で利用できることです。
企業グループ全体の税務リスクの軽減とメリットの享受を実現できる対策を立てていくことが重要です。