ある日突然、税務署が会社にやってきて帳簿などを検査します。
定められた税金をきちんと納めているか確認する調査です。
経営者にしてみれば心が落ち着かないでしょう。自分ではちゃんと納税をしているつもりでも、思わぬところで足をすくわれることもあります。
このような税務調査について、自信をもって応対できるようにいつも準備しておく必要があります。
そもそも税務調査とは?
日本の租税制度は、税金を自分で計算して納める「申告納税方式」のものが多くなっています。
自分で計算するということはやろうと思えば数字をごまかすこともできてしまいます。また悪意はなくても、間違いや勘違いによるミスもでてきます。
このようにすべての会社が、正しい額の税金を納めているとは限らないのです。
そのため会社が実際に計算して申告した税額が適正であるかどうか、税務署側で抜き打ちで検査する必要があるのです。これが税務調査になります。
税務調査の対象について
税務調査は、事業をしているすべての法人が対象になります。
納税者は法的に税務調査を受忍する義務があるため、税務調査を拒否できません。
法律上は税務調査の対象となる契約書や領収書は、7年間の保管義務があります。(一部電子保管も容認されています)
しかし実際の税務調査は調査対象期間は、過去3年分の書類となっており、もし何かしらの問題があれば、過去5年までさかのぼって調査されます。
税務調査の種類について
通常税務調査と呼ばれるものには、「強制調査」と「任意調査」の2種類があります。
強制調査は特に時期や決まった期間はありません。大勢の税務官が入ってきますが、多額の脱税が発覚した場合に入る調査で通常はありません。
それに対して任意調査は、通常3~4年のサイクルでやってきます。
任意調査の場合は、1人もしくは2人の税務官が調査します。
この場合、強制調査と異なり、事前連絡があります。スケジュール管理も可能になります。
もしも事前連絡なく調査官が来た場合は任意調査であることを確認して、スケジュール調整してから調査を受けるように一旦お引き取りいただくことも可能です。
税務調査に要する期間
税務調査は普通2日程度の期間で行われます。前述のように調査拒否はできませんが、スケジュールの調整は可能です。
日頃から準備しておけば突然焦ることもありません。
税務調査に対する準備
創業期は取引規模も小さく数字の把握も容易であることが多いです。
そのため税理士をつけずに自分で経理・総務までやってしまおうという考えの経営者はコストカットに目が行き過ぎていてリスクを過小評価してしまっているため注意が必要です。
経理畑出身であればまだしも、知識が不足した状態で作成した帳簿は不完全なものになりがちです。
税務署は税金を取ることが仕事なので追徴課税には容赦がありません。
そのためたとえ悪意がなくても様々な指摘を受け、追徴課税で税金を支払うような事態になり、コストカットのつもりが無駄に出費を出してしまうという結果を招いてしまいます。
そうならないように顧問税理士をつけて税理士と二人三脚で税務調査対策に挑むことが大切です。
起業間もないキャッシュが厳しい時期は逆に受けられる税金の優遇制度もあります。その時期に専門家に頼らなければ優遇の機会を逸するだけでなく、後年税務調査が入った場合にもさかのぼって創業期の対応を自分でしなければならなくなってしまいます。
税理士を付けていれば、必要な手続きや適正な計算は当然のこととして、有事の税務調査にも立会ってもらうことができます。
不必要な税金を支払ってしまうことを防げるため合法的に節税もできます。
浅い知識で自らの知識だけで節税をしようとするのは大変危険です。
税務調査の際のリスク回避とコストカットの両方の意味で、創業期から顧問税理士を探しておくのはマストと言えます。