通勤費とは、会社に通勤するために支払われる通勤手当のことです。遠距離から都心部への通勤者の増加を受け、今年2016年1月分より、通勤費の非課税限度額が月額10万円から15万円に引き上げられました。これは月額5万円から10万円に引き上げられた1998年の改正以来18年ぶりの限度額引き上げとなります。

今回は経営者がおさえておきたい、通勤交通費の基本について解説します。

経営者が知っておくべき通勤費の基本

通勤費の非課税は所得税のみ

通勤費と関係のある税金は以下の3つです

  • 所得税
  • 社会保険・労働保険
  • 会社の損金

通勤費の非課税が対象になるのは「所得税」のみ。社会保険・労働保険と会社の損金について非課税は関係ありません。
ちなみにこの3つの税金は、計算上通勤費の取り扱い方法が全く異なりますのでご注意を。

通勤費の処理

給与計算において通勤費は「非課税交通費」として処理します。非課税とは簡単にいうと、「税金のかからないお金」。つまりは所得として給与に含めないお金です。正社員や役員だけでなくアルバイトやパートなどであっても、給与計算の際、通勤交通費は「非課税通勤費」となります。

非課税限度額、どこがどう改正されたの?

今回の改正で以下3つの区分の限度額が月10万円から15万円に引き上げられました。

  • 電車などを利用している人に支給する通勤用定期乗車券
  • 高速バスなどを利用している人に支給する通勤手当
  • 交通機関及びマイカーや自転車など使用している人に支給する通勤手当や通勤用定期乗車券

また、マイカー、自転車を利用している人は以前と変わらず、下記の通りの支給がなされます。

  • マイカー・自転車で片道55キロ以上…月額31,600円
  • マイカー・自転車で片道45キロ以上55キロ未満…月額28,000円
  • マイカー・自転車で片道35キロ以上45キロ未満…月額24,400円
  • マイカー・自転車で片道25キロ以上35キロ未満…月額18,700円
  • マイカー・自転車で片道15キロ以上25キロ未満…月額12,900円
  • マイカー・自転車で片道10キロ以上15キロ未満…月額7,100円
  • マイカー・自転車で片道2キロ以上10キロ未満…月額4,200
  • マイカー・自転車で片道2キロ未満…全額課税

通勤費の規定は会社ごとに異なる

所得税法では「最も経済的かつ合理的な経路及び方法で通勤した場合」の非課税限度額が定められていますが、実際どこまでを対象として支給するかは会社ごとの規定によって変わります。よって、経営者が従業員を雇用する前には、規定をしっかりと定めておく必要があります。

例えば以下のようなケースを始め、想定される事象を自社でどう対処するべきか、あらかじめ定義付けしておきましょう。

  • 駐車場の代金
  • 通常自転車通勤だが、天候によって公共交通機関を使用する場合
  • 自転車事故など損害賠償のリスク

まとめ

今回の税制改正により、東京や新大阪からの新幹線での通勤エリアのなんと約200キロをカバーするようになりました。これまでの一極集中化を避け、地方移住者を増やす狙いもあっての税制改正ではないかと思います。

経営者は今後より多様化する状況の中、あらゆるケースを想定し過不足のないように規定を定め、対処することを心がけましょう。

(編集:創業手帳編集部)