社員に役立つ5つの質問とフローチャート
社員から申告書がなかなか提出されない、書き方の問い合わせが多い等、年末調整についてお困りではありませんか?社員にとって、年末調整は複雑で分かり難いものです。
今回は、年末調整の書き方について、シンプルで分かり易いフローチャートをご紹介します。5つの質問に答えるだけで、控除の種類と書き方が分かります。
あなたの控除はどのタイプ?さっそく記入してみよう!
以下の5つの質問にYes /Noで回答し、ご自身の控除タイプと申告書の書き方をご確認ください。
Q1:配偶者はいますか?過去にいましたか?
A1:配偶者に関する控除
■1-1. 配偶者控除・配偶者特別控除を受ける方
配偶者がいる場合、38万円の控除を受けられる可能性があります。
但し、配偶者の年間所得に制限があり、配偶者控除は103万円以下、配偶者特別控除は103万円以上141万円未満であることが条件です。
<申告書の書き方>
①申告書右上に「扶」と記された用紙の「A」欄(下図赤枠内)に必要事項を記入します。
②申告書右上に「保・配特」と記された用紙の右側(下図赤枠内)に必要事項を記入します。
■1-2. 寡夫控除 寡婦控除を受ける方
以前配偶者がいた場合には、27万円(特別な寡婦の場合は35万円)の控除が受けられる可能性があります。
<申告書の書き方>
申告書右上に「扶」と記された用紙の「C」欄(下図赤枠内)に必要事項を記入します。
Q2:子どもはいますか?
A2:子どもがいる場合の控除
子どもの年齢により、受けられる控除が異なります。しかし、いずれも合計所得が38万円以下(アルバイト等の給与所得のみであれば103万円以下)であることが条件です。
■2-1. 特定扶養控除を受ける方
子どもの年齢が19〜22歳の場合、63万円の控除を受けられる可能性があります。
<申告書の書き方>
申告書右上に「扶」と記された用紙の「B」欄(下図赤枠内)「特定扶養親族」に○を付けます。
■2-2. 扶養控除を受ける方
子どもの年齢が16歳以上の場合、38万円の控除が受けられる可能性があります。
<申告書の書き方>
申告書右上に「扶」と記された用紙の「B」欄(下図赤枠内)「特定扶養親族」に必要事項を記入します。
■2-3. 住民税の扶養控除を受ける方
子どもの年齢が16歳未満の場合、住民税が控除されます。
<申告書の書き方>
申告書右上に「扶」と記された用紙の下部(下図赤枠内)に必要事項を記入します。
Q3:70歳以上の方を扶養していますか?
A3:70歳以上の方がいる場合の控除
■3-1. 老人控除対象配偶者がいる場合
配偶者が70歳以上の場合、老人控除対象配偶者として、48万円の控除が受けられる可能性があります。
<申告書の書き方>
申告書右上に「扶」と記された用紙の「A」欄(下図赤枠内)に必要事項を記入します。
■3-2, 同居老親等がいる場合
70歳以上の親族と生計を共にし、その方の合計所得が38万円以下の場合、扶養に入れることができます。また、同居している場合、58万円の控除が受けられる可能性があります。
<申告書の書き方>
申告書右上に「扶」と記された用紙の「B」欄(下図赤枠内)「老人控除対象配偶者または老人扶養親族」の「同居老親等」に○を付けます。
■3-3. 同居老親等以外の者がいる場合
70歳以上の親族と生計を共にし、その方の合計所得が38万円以下の場合、扶養に入れることができます。同居していない場合にも、48万円の控除が受けられる可能性があります。
<申告書の書き方>
申告書右上に「扶」と記された用紙の「B」欄(下図赤枠内)「老人控除対象配偶者または老人扶養親族」の「その他」に○を付けます。
Q4:障がいのある方を扶養していますか?
A4:障がいのある方がいる場合の控除
■4-1. 同居特別障がい者がいる場合
障がいの程度が1級又は2級その他重度で同居している場合、75万円の控除を受けられる可能性があります。
<申告書の書き方>
申告書右上に「扶」と記された用紙の「C」欄(下図赤枠内)に必要事項を記入します。
■4-2. 特別障がい者がいる場合
障がいの程度が1級又は2級その他重度で同居していない場合、40万円の控除を受けられる可能性があります。
<申告書の書き方>
申告書右上に「扶」と記された用紙の「C」欄(下図赤枠内)に必要事項を記入します。
■4-3. 一般障がい者がいる場合
障がいの程度が1級又は2級その他重度でない場合、27万円の控除を受けられる可能性があります。
<申告書の書き方>
申告書右上に「扶」と記された用紙の「C」欄(下図赤枠内)に必要事項を記入します。
Q5:保険料や共済等の支払いをしていますか?
給与から社会保険料の支払いをしている場合はこちら>>
給与から小規模企業共済等の支払いをしている場合はこちら>>
生命保険料などの支払いをしている場合はこちら>>
地震保険料の支払いをしている場合はこちら>>
A5:保険料等の支払いをしている場合の控除
■5-1. 社会保険料控除を受ける場合
給与から天引きされている社会保険料以外に、手取りから社会保険料を支払った場合、支払い額に応じて控除が受けられます。
<申告書の書き方>
申告書右上に「保・配特」と記された用紙の右下の欄(下図赤枠内)に必要事項を記入します。10月〜11月に届く控除証明書を参考に記入しましょう。
■5-2. 小規模企業共済等掛金控除を受ける場合
給与から天引きされている掛金以外に、手取りから掛金を支払った場合、支払い額に応じて控除が受けられます。
<申告書の書き方>
申告書右上に「保・配特」と記された用紙の右下の欄(下図赤枠内)に必要事項を記入します。10月〜11月に届く控除証明書を参考に記入しましょう。
■5-3. 生命保険料控除
「生命保険」「介護医療保険」「個人年金保険」を支払っている場合、最大12万円の控除を受けることができます。
<申告書の書き方>
申告書右上に「保・配特」と記された用紙の左側の欄(下図赤枠内)に必要事項を記入します。10月〜11月に届く控除証明書を参考に、支払った金額の合計を記入しましょう。また、証明書類を添付する必要があります。
■5-4. 地震保険料控除
地震保険料を支払っている場合、最大5万円の控除を受けることができます。
<申告書の書き方>
申告書右上に「保・配特」と記された用紙の左下(下図赤枠内)に必要事項を記入します。10月〜11月に損害保険会社等から届く控除証明書を参考に記入しましょう。
まとめ
いかがでしたか?複雑で分かり難い年末調整も、順に進めていけば、どなたでも簡単に記入することができます。忙しい社員の為にも、ひと目でわかるフローチャートを是非ご活用ください。