これをやっておけば決算処理も怖くない!
個人事業主にとって年に1回の決算処理は慣れない作業です。
普段の取引は会計システムに入力すればよいのですが、決算の時に何をすべきなのか、あやふやな方も多いと思います。
そこで、決算時に最低限チェックするべきポイントをご紹介します。
個人事業主にとって1年で最大のイベントが確定申告です。
最近ではfreeeやCrew、弥生会計オンラインなどクラウドの会計システムが登場しており、収支内訳書や青色申告決算書を自動で集計し出力してくれますが、集計結果が実態と合っているかどうかのチェックは事業者自身が行う必要があります。
取引や経費について当期分の入力が完了したら、以下のポイントをチェックしてみましょう。
1.「現金」科目の残高は実際の現金有高と合っているか?
実際の現金有高と照合します。
2.「普通預金」「定期預金」科目の残高はそれぞれ口座の残高と合っているか?
口座の残高をそれぞれ確認し、科目ごとの口座残高合計と照合します。
3.「売掛金」科目に12月31日時点での未回収の金額が計上されているか?
取引先ごとに未回収の取引が計上されているか確認します。例えば毎月20日締の取引先の場合は、12月21日〜12月31日までの売上を請求書控えや納品書控えをもとに集計して計上します。
念のため、翌年1月以降の入金と12月31日時点での未収金を照合しておきましょう。
4.「買掛金」科目に12月31日時点での未払いの金額が計上されているか?
末締めでない場合は取引先ごとに未払いの取引が計上されているか確認します。
例えば20日締の場合、12月21日〜12月31日までの支払・経費を請求書や納品書をもとに集計して計上します。
翌月1月以降の支払と12月31日時点での未払金を照合しておきましょう。
5.「預り金」科目に社会保険や源泉所得税、住民税が正しく計上されているか?
事業用に使用している口座から社会保険や住民税を振替納付している場合は「事業主貸」科目で仕訳します(プライベートの口座の場合は仕訳不要)。
また、取引先から送付される支払調書の金額と「仮払税金」科目で計上した源泉所得税の金額が合っているか確認しておきましょう。
6.「借入金」科目の残高は返済予定表と合っているか?
借入金の返済を正しく計上しているか返済予定表と照合しておきましょう。
7.経費で計上したもののうち、プライベートの支出が含まれていないか?
仕事場と自宅が同じ場合など、事業とプライベートで兼用している場合は、家賃や電気料金などを使用割合に応じて案分処理しているかを確認しましょう。
8.経費科目で資産計上する取引はないか?
10万円以上の消耗品をチェックしましょう。経費科目で入力していた場合は、資産として計上します。
なお、青色申告個人事業主の場合は1個あたり30万円未満の少額減価償却資産は使用・開始した年度に一括で経費計上することもできます(少額減価償却資産の特例)。
9.減価償却費が計上されているか?
新規で取得したもの、売却・除却したものを整理し、減価償却費を計算して今期分の経費として計上します。
10.棚卸資産が計上されているか?
前年の棚卸高を期首商品棚卸高として売上原価に加算し、当年の棚卸高を期末商品棚卸高として売上原価から減算します。
以上実務でよく使われる処理を中心にポイントをまとめました。これを基本として、事業者個別の状況に合わせて対応を行っていきましょう。